基礎現代文化学系現代史学専修では、人類の歴史が「ひとつの世界」の世界史として展開するようになった時代を「現代」と捉え、この「現代」に生起する様々な歴史的事象を考察します。古代から、世界の各地域間にはさまざまな交流がありましたが、19世紀後半以降には、交通・通信技術の発展と普及、そして主権国家体制・植民地支配の拡大によって、地球上のすべての地域が相互に結びつけられ、人・モノ・カネ・情報などが、それ以前とは比べものにならない速度と規模で、日常的に往来するようになりました。したがって現代の歴史は、ひとつの国や地域の内部で完結するものとして捉えることはできません。現代史学専修は、さまざまな国や地域における最近の卒業論文■ 第一次世界大戦におけるイギリス兵❶❶教員紹介 1 専攻分野 2 現在の研究テーマの帰還と社会復帰■ 戦中の対ビルマ工作と戦後日緬関係写真 ❶ 文学部所蔵の原敬文書に収められている、西園寺公望から原敬への書簡 ❷ 1956年8月6日付、スエズ危機開始まもなくの時期の、ブルック書記官からイーデン英首相宛メモ。桃色インクの走り書きからはイーデンの苛立ちが窺える。(英国立公文書館、PREM11/1098) ❸ 南アフリカ国立文書館ケープ分館。世界記憶遺産のオランダ東インド会社文書などが所蔵されている。国際関係史、アメリカ現代史冷戦期のアメリカ外交、米・中東関係史教授 小野沢 透12最近の修士論文■ 小笠原諸島をめぐる戦後日米外交と米海軍■ ボスニア内戦における性暴力:フォチャ地方の事例から政治的・経済的・社会的な変容の相互関係や、世界的な思想・運動の共時的な展開を視野に入れながら、おもに20世紀以降の歴史的事象を分析し、現代世界の成り立ちを世界史的な視点から明らかにすることを目指しています。現代史の研究は、歴史学の他の分野と同様に、研究対象の同時代に生み出されたさまざまな史料に基づいておこないます。史料には、各国政府の公文書(一般に公開まで30年程度を要します)のほか、新聞などの定期刊行物、組織・団体の刊行物や内部文書、個人の日記や書簡などの私文書や、聞き取り調査による証言資料など、さまざまなものがあります。適切な史料を探し出すことが、現代史研究の第一歩です。教授 塩出 浩之日本近現代史1ヒトの移動や言論空間からみた東アジアの近代2最近の博士論文■ Asymmetric Remembering in Post-❷❷❸❸Authoritarian South Korea■ 西ドイツ「68年運動」と戦後政治秩序の変容:「共同決定」の変容を中心に37DEPARTMENT OF CONTEMPORARY HISTORY現代史学専修
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