京都大学大学院文学研究科・文学部案内2024
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2627282930日本史学専修東洋史学専修西南アジア史学専修西洋史学専修考古学専修このような「フンボルト化」の効果はてきめんでした。京大文学部と北京大学文科からは、それぞれ「京都学派」、「現代新儒家」という、今日、世界的にも評価されている独自の哲学運動が生まれたのです。もちろん現在では、京大文学部や文学研究科の「フンボルト気風」も令和風にアレンジされています。文学部で学ぶ学生、文学研究科の大学院生のキャリア志向や卒業後の進路も多様化しました。それを受けて、文学部・文学研究科や教員のマインドセットも、僕が学生だった頃に比べても随分変わったように見受けられます。文学部自体、さらには文学研究科自体も、狭い意味での研究者養成機関であるにとどまらず、社会の様々な現場で人文社会学の知を活かす人材を育てる場という色彩をますます濃くしています。個々の教員も後輩を鍛え上げる鬼コーチ的な先輩研究者であるよりも、各々の学生や院生の個性に寄り添うよき伴走者であることを目指しているようです。世は管理社会。いやスマホを通じた相互監視ディストピアと言うべきかもしれません。既存の価値観を絶対視し、人々をそれに縛り付ける管理や相互監視の足音は大学にもヒタヒタと押し寄せています。京大も例外ではありません。しかし文学部・文学研究科には、目先の利害に拘泥せず、時代を超えた独創的な学知を追求し、新たな価値観を社会に提案しようとしてきた「フンボルト学部」のかおりが、そこかしこに残っています。アジアで最初期の「文系フンボルト学部」の伝統を、最後の一校になっても守り抜こう。そのような気概が、ここには脈打っているのです。皆さんもぜひ、京大文学部・文学研究科で「フンボルト気風」に触れ、相互監視のディストピア圧力を跳ね返す膂力を身につけて頂きたいと思います。参考文献潮木守一(1984)『京都帝国大学の挑戦−帝国大学史のひとこま』− (2008)『フンボルト理念の終焉?−現代大学の新次元』京都帝國大學文學部(1935)『京都帝國大學文學部三十周年史』小林善文(2002)『中国近代教育の普及と改革に関する研究』C. G. Booth (1993) ʻClinical Researchʼ in W. F. Bynum and R. Porter eds., ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■S. Lawrence (1993) ʻMedical Educationʼ in W. F. Bynum and R. Porter eds., ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■31323334心理学専修言語学専修社会学専修地理学専修353637科学哲学科学史専修メディア文化学専修現代史学専修38京都大学・ハイデルベルク大学国際連携文化越境専攻(修士課程)附属文化遺産学・人文知連携センター3940文学研究科・文学部相談室留学生支援以文会男女共同参画の取組白眉プロジェクト教員文学研究科図書館在学生インタビュー進学・就職データ奨学制度・取得可能な資格国際交流キャンパスマップ・交通アクセス4142444649大学院文学研究科長・文学部長歴史基礎文化学系行動・環境文化学系基礎現代文化学系1出口 康夫

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