哲学基礎文化学系西洋哲学史専修はそれぞれ独自の伝統を持つ古代哲学史・中世哲学史・近世哲学史の三専修に分かれています。古代哲学史研究室では、紀元前7世紀から紀元後7世紀までにおよぶ古代ギリシア語とラテン語のテキストの読解を通じて、哲学の成立と形成の現場にまで遡り、哲学の原点から諸問題を本格的にかつ平明に考察することをめざしています。中世哲学史研究室では、古代末期のキリスト教成立期からルネサンスまでの時代の哲学を学びます。主としてラテン語の文献をきちんと読むことを通じて、ヨーロッパの直接の起源である中世世界の核心に触れることができます。近世哲学史研究室では、デカルト以後のヨーロッパ近世の哲学史を学びます。哲学者たちの思考による格闘の記録とも言えるテキストを、論理をたどりながらじっくり読む学生院最近の卒業論文■ プラトン『饗宴』における美しさと善さ❶❶教員紹介 1 専攻分野 2 現在の研究テーマの関係性■マイスター・エックハルトにおける愛徳論■ ホッブズにおける愚者の問題■フォイエルバッハにおける身体・他者論 −フィヒテとの比較を通して−ドイツを中心とする近現代哲学現代プラグマティズムにおけるヘーゲル受容教授 大河内 泰樹12准教授 早瀬 篤西洋古代哲学史1プラトンの哲学的方法論とその古典古代にお2ける受容最近の修士論文■ アリストテレスの実践的推論■ トマス・アクィナスにおける「エッセ」の意味をめぐって■ Humeʼs Oscillating Positions in Treatise 1.4.7: Skeptic, Vulgar or Naturalist?生が集まって研鑽しています。授業は講義と演習にわかれ、テキストを原語で正確に読む訓練の場としての演習が重視されています。また講義は基礎知識を学ぶための概説と専任および非常勤の講師による特殊講義とからなり、後者では教員の研究の最前線に触れることができます。このほか卒業論文から博士論文まで各段階での論文を提出するメンバーの研究発表と討論を中心とした授業もおかれています。学生の学部卒業後の進路は大学院進学のほかに、出版社や新聞社・通信社、シンクタンク、広告代理店、中央および地方の官庁、あるいは税理士などの実務系まで、近年著しく多様化しているのが特色です。大学院では他大学からの進学者も多く、在学中ないしODの期間に学術振興会特別研究員として、あるいは様々な奨学金を得て、ヨーロッパ各地に留学して研鑽する者が増えています。❷❷写真 ❶ アウグスティヌス『告白』の冒頭部分。 1491年シュトラスブルクで刊行された最初期の印刷 ❷ OBを交えた研究発表会最近の博士論文■初期ドイツ観念論の「学」の精神史■スピノザにおける観念の形而上学■ 後期アウグスティヌス思想における神と人間の関係論■ 哲学的方法論から見たポストカント哲学の一潮流 −J・F・フリースおよびショーペンハウアーを中心に本(インキュナブラ)。文学研究科蔵。17・18世紀の西洋近世哲学ドイツスコラの批判的継承者としてのライプニッツ教授 周藤 多紀西洋中世哲学史113世紀におけるアリストテレス倫理学の受容2准教授 林 拓也(令和6年10月着任予定)1220DEPARTMENT OF HISTORY OF WESTERN PHILOSOPHY西洋哲学史専修
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